
「間もなく到着」とのアナウンスが流れ、旅行客が甲板に出てきた。
船旅も、あと少し。皆、それぞれの時間を楽しんでいる。

まだ起き出している者は少ないのか、港は静まり返っていた。
フェリーでの船旅は、まぁまぁ快適だった。夏だったが、それほど混んでいるわけでもなく、椅子は充分にあった。船内の食堂を通りがかった時、夕食を取っていないことに気付いたが、使用できるのはドラクマだけと言う。しかしイタリア・リラも使えるかと訊いたところ、リラでも良いということになり、残っていたリラはわずかだったが、それなりの夕食は楽しめた。

イタリアより、ギリシャへ。
夜明けと共に、フェリーはコルフ島に到着した。
アルベロベッロのトゥルッリを駆け足で観光した後、ギリシャに渡るべく、悪名高いバーリへ向かった。なぜこんなにもギリギリになってバーリへ向かったかと言うと、バーリは治安が悪く、イタリア人男性でさえ、好んでは近寄らない町だからだ。
フェリーが出るのは、夜。何とはなしに、1ヶ所にじっとしているべきではないと感じた私は、出港時刻まで町を彷徨い続け、それが幸いしたのかどうか、何事もなくギリシャに向かうフェリーに乗り込めた。
「印象、日の出」 旅猫写真館

シダリの夕暮れ。長いギリシャの夏も、あと少し。
惜しむかのように、いつまでも海を見つめる。

自然の恵みの、プライベートビーチ。
ギリシャ、コルフ島の北部は変化に富んでいる。その代表的なものが、西海岸最大のリゾート地、シダリ。シダリでは砂岩が、打ち付ける波と風雨にさらされて風化し、幻想的な渦巻状の奇岩となって、天然のプライベートビーチを提供してくれている。